
1. 悲報を受けたとき
1-0-1. 危篤・臨終にはすぐ駆けつける
1-0-2. 知人・友人への連絡
1-1. 取り急ぎの弔問
1-1-1. とりあえず弔問に駆けつける
1-1-2. 勤務先から行く
1-1-3. 遠方で連絡を受けた
1-1-4. 代理で連絡を受けた
1-1-5. 代理で連絡を受けた
1-1-6. 行けない場合
1-1-7. 手伝いを申し出る
1-1-8. お悔やみの言葉
1-1-9. お辞儀の仕方は
1-2. 故人と対面する
1-2-1. 対面のマナー
1-2-2. 対面したくない場合
1-2-3. 弔電を出す
1-2-4. 弔電の文面は
1-3. お悔やみの手紙
1-3-1. 弔問できない場合は手紙を
1-3-2. 注意点は
1-3-3. お悔やみの手紙
1-4. 香典を包む
1-4-1. 金額の目安
1-4-2. 香典の包み方
1-4-3. 不祝儀袋
1-4-4. 表書き
1-4-5. 中包みの書き方
1-4-6. ふくさで包むときは
1-4-7. 香典を出す時期
1-4-8. 香典の渡し方
1-4-9. 香典を郵送する場合
1-5. 供物・供花を贈る
1-5-1. 遺族に了解を得る
1-5-2. 手配のポイント
1-5-3. 選ぶときの注意
1-5-4. 神式、キリスト教式の場合
2. 通夜でのマナー
2-1. 通夜に参列する
2-1-1. 通夜とは
2-1-2. 通夜と告別式、どちらに出席するか
2-1-3. 通夜での服装は?
2-1-4. 受付でのマナー
2-1-5. 部屋に通されたら
2-1-6. 通夜ぶるまい
2-2. 焼香のしかた
2-2-1. 宗派によっては
3. 葬儀・告別式でのマナー
3-1. 葬儀・告別式
3-1-1. 葬儀・告別式とは
3-1-2. 受付では
3-1-3. 会場では
3-1-4. どちらか一方に出席する場合
3-1-5. 葬儀・告別式の服装は?
3-1-6. 弔辞をたのまれたら
3-1-7 弔辞を読みたい人は
3-1-8. 弔辞のポイント
3-2. 出棺・火葬
3-2-1. 出棺の見送り
3-2-2. 同行したい人は
3-2-3. 火葬場まで同行する
3-2-4. 遺骨迎え
3-2-5. 精進落とし
3-2-6. お清め
3-3. 葬儀が終わった後で
3-3-1. 香典返しをもらったら
3-3-2. 形見分けをもらったら
3-3-3. 年賀欠礼状をもらったら
4. 法要、お墓参りでのマナー
4-1. 法要に招かれたら
4-1-1. 法要とは
4-1-2. 出欠の返事は早めに
4-1-3. 供物料を包む
4-1-4. 供物を贈る
4-1-5. 卒塔婆を立てたいとき
4-1-6. 法要時の服装は?
4-1-7. あいさつの言葉
4-1-8. 仏前では
4-1-9. 法要後の宴の席で
4-2. お墓参り
4-2-1. お墓参りをする場合
5. 神式、キリスト教式葬儀では
5-1. 神式葬儀のマナー
5-1-1. 仏式とどう違う?
5-1-2. 不祝儀袋の表書き
5-1-3. お悔やみの言葉
5-1-4. 手水と玉串奉奠
5-1-5. キリスト教式葬儀のマナー
5-1-6. 撒水、献香
5-1-7. 賛美歌(聖歌)斉唱のときは
5-1-8. お悔やみの言葉は
5-1-9. 献花について
5-2. 法要への出席
5-2-1. 神式の霊祭
5-2-2. キリスト教の記念集会・追悼ミサ
1. 悲報を受けたとき
1-0-1. 危篤・臨終にはすぐ駆けつける
親族や親しい友人などの危篤や臨終の知らせを受けたときは、すぐに駆けつけることが大切です。とくに危篤の状態である場合は、生前にひと目でも会わせたいという家族の思いがこめられています。連絡を受けたら、その希望に添えるよう、できる限り努力するようにしましょう。先方も何かとあわただしいでしょうから、容体などを細かく聞いて動揺させたりしないように注意しましょう。
故人が近親者である場合には、葬儀までの手助けを申し出ましょう。
服装は、なるべく地味で動きやすいものにします。喪服に着替えて行くことは、かえって失礼になります。遠方でやむを得ず持参するときは、持参していることを目立たせないようにします。
通夜や葬儀・告別式の詳細が決まっていたら、日時や場所、宗派などの確認を忘れずにしましょう。
このページの見出しに戻る
近親者でなくても、危篤や臨終の知らせが喪家から直接入る場合もあります。あわてずに、冷静な受け答えをするよう気をつけます。臨終の場合は、会社の関係者やその他の友人・知人などへの連絡を遺族に代わり引き受けます。喪家とかなり親しい間柄であれば、進んで手伝いを申し出るのもいいでしょう。
逆に、それほど親しくない間柄でも知らせを受けることがあります。この場合は、通夜の祭壇ができたころにお悔やみに行くのが良いでしょう。祭壇が飾られる前の弔問は、近親者や特に親しい友人や直属の上役の不幸のような場合です。
このページの見出しに戻る
1-1. 取り急ぎの弔問
1-1-1. とりあえず弔問に駆けつける
故人と親しかった場合には、まず弔問に出かけます。なるべく祭壇を飾る前までに弔問しましょう。その際、香典や供物は必要ありません。まずは、心からのお悔やみの言葉を述べることが大切です。ただし、相手方も忙しいさなかですから、弔問は短時間ですませるようにしましょう。玄関先でのお悔やみだけでも失礼にはあたりません。名刺の右肩にお悔やみの言葉を書いて渡してもよいでしょう。服装は、地味な平服でかまいません。
このページの見出しに戻る
1-1-2. 勤務先から行く
故人が会社の同僚や上司、取引先の相手であった場合には、個人の立場としてではなく、組織の一員として動きましょう。個人的に親しかった場合でも公私混同はせずに、まず、会社の総務課などの方針に基づいて、その規定から逸脱することのないように。また、手伝い要員などに指名されたら、積極的に引き受けるようにします。
個人としての立場で出かける場合は、上司に了解を得ておくようにします。許可なく一人で先に駆けつけるなどの、自分勝手な行動は、慎みましょう。
このページの見出しに戻る
1-1-3. 遠方で連絡を受けた
遠方に住む場合も、訃報をうけたらできるだけ早く駆けつけます。遠方の近親者の到着に合わせて葬儀や出棺の日時を決めることもありますので、喪家への到着時刻などの予定が決まり次第、連絡を入れておきましょう。
電話をかけるときは、喪家は取り込み中ですから、わざわざ遺族を呼び出したり、死の前後の様子などを聞いたりせず、必要な要件だけを明確に伝えましょう。
到着時刻が葬儀開始直前の場合には、あらかじめ喪服を着用していきます。
やむを得ない事情により葬儀に参列できない場合には、まず電話でお悔やみを述べ、事情を伝えるとともに、葬儀開始に間に合うように弔電を打ちます。その後、香典や丁重なお悔やみの手紙を出しましょう。
このページの見出しに戻る
1-1-4. 代理で連絡を受けた
訃報を受けた本人が不在の場合もあります。知らせを受けた家族は、すぐ本人に連絡を取り、その指示に従うようにします。また、すぐに出かけられるように、喪服や必要なお金を用意しておきます。
本人がすぐに駆けつけられない場合にはまず弔電を打ちます。通夜や葬儀に代理で出ることも必要でしょう。代理で弔問に出向く場合には、お悔やみを述べるとともに、本人が弔問できない理由を簡潔に告げます。
このページの見出しに戻る
1-1-5. 代理で連絡を受けた
近隣の人が亡くなった場合は、とりあえず玄関先にお悔やみを述べに行き、その後、通夜か告別式に参列します。
親しいつきあいのある家であれば、必要に応じて手伝いをしましょう。その際、あまり余計なことには立ち入らないように注意します。小さな子どもを預かったり、弔問客のための座ぶとんや湯飲みなどを貸し出すことも喜ばれるでしょう。また、近隣の人の場合、周囲の地理や事情にも詳しいので、買い物に行ったり、連絡係を引き受けてあげるのもよいでしょう。
こうした弔事のしきたりは、地方によって違いもあり、決まりがある場合もありますので、わからないときは近所の人や自治会の役員などに聞くとよいでしょう。
このページの見出しに戻る
1-1-6. 行けない場合
訃報を受けても、病気や高齢などのやむを得ない事情で駆けつけられない場合には、配偶者や長男、長女など、家族を代理にたてます。代理人は、喪家にその旨を簡単に述べるようにしましょう。代理人を立てない場合にはお悔やみの手紙を出すなどします。後日改めて、先方の都合のいいときに、なるべく早めに弔問するとよいでしょう。
◆弔事と慶事が重なったら
訃報を受けた本人が出産間近であったり、身内の慶事が一両日後に迫っている場合には、葬儀への参列を遠慮し、ていねいな弔電を打っておきましょう。先方の悲しみを思いやり、理由は詳しく述べずに「やむを得ぬ事情」とします。知人の慶事と重なった場合には弔問を優先します。時間の調整がつけば両方出席してかまいません。
このページの見出しに戻る
1-1-7. 手伝いを申し出る
葬儀の準備には何かと人手が必要です。また、遺族は気が動転していることも少なくありません。近親者はもちろんですが、親しい友人、知人、近隣者なども、進んで手伝いを申し出るようしましょう。
遺族の代理としての世話役のおもな仕事は、葬儀社との折衝をはじめ、葬儀全体を取りしきる世話役代表、会計、会場、進行、接待などがあります。いずれの係でも自分勝手に事を進めるのは禁物です。周囲と相談し合い、協力してすみやかに行動しましょう。
手伝いを申し出ても断られた場合には素直に辞退しましょう。
このページの見出しに戻る
1-1-8. お悔やみの言葉
喪主や遺族に対するお悔やみの言葉は、手短に、慎み深いあいさつを心がけましょう。さほど難しく考えず、遺族へのいたわりの気持ちを表すことが大切です。電話でのお悔やみは、できるだけ避けるようにします。
「この度は、誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます」
「お見舞いにもお伺いできないうちに亡くなられ、誠に心残りでございます」
「突然のことで、ただ驚くばかりでございます。さぞご無念でございましょう」
「ご生前中はひとかたならぬお世話になりました。何の恩返しもできないうちにお亡くなりになられ、悔やまれてなりません」
「天寿を全うされた上でのことと存じますが、誠に残念なことでございます」
「これからが楽しみな方でしたのに、本当に残念でなりません」
また、お悔やみの席で遺族に死亡の原因や病気の経過を尋ねたりするのは差し控えるようにします。
このページの見出しに戻る
1-1-9. お辞儀の仕方は
喪主や遺族と対面したら、まず一礼してからお悔やみを言います。次に祭壇の前に一礼し、座布団を横にずらして焼香をします。後ろに下がってからもう一度合掌して、再び喪主に一礼を行うのが一般的です。
このページの見出しに戻る
1-2. 故人と対面する
1-2-1. 対面のマナー
間柄にもよりますが、故人との対面は、遺族から勧められたら受けるもので、どうしてもという場合以外は、弔問客のほうからお願いすることではありません。
対面を勧められたら、「それではお別れをさせていただきます」と一礼し、故人の枕元に正座して故人に向かって軽く一礼します。遺族が白布をとったら、故人の顔を少しの間見つめてから深く一礼し、合掌して故人の冥福を祈ります。このとき、「きれいなお顔ですね」など心のこもったひとことを添えてもよいですが、言葉を思いつかなければ黙っているほうが無難でしょう。合掌を終えたら、遺族に一礼して下がります。
場所が病院などのベッドの場合でも、右の動作を立ったままで行います。
このページの見出しに戻る
1-2-2. 対面したくない場合
故人との対面に耐えられないと思う場合、対面すると取り乱してしまいそうだと思う場合は、勧められたからといって無理に受ける必要はありません。「今の私には・・・」と自分の思いを、失礼にならないよう丁重に伝えて辞退します。
◆事故死・集団葬の場合
事故死の場合、その原因や死の状況について遺族に問いただすのは禁物です。また、万一、加害者と同席することになっても、非難するような言動は慎みましょう。
飛行機事故などでは集団葬となることがありますが、会場は広く人も多いので混乱しがちです。親しい仲なら、後日、個人的に弔問するほうがよいでしょう。
このページの見出しに戻る
1-2-3. 弔電を出す
やむを得ない事情があって葬儀に出席できない場合に、弔電を用います。弔電は、115番にかけて申し込み、定型の文例を利用するのが最も手早い方法です。
受け付けは午前八時から午後十時までで、午後七時までに申し込めばその日のうちに配達してくれます。文例は電話帳(ハローページ)にのっています。料金は、二十五字まで四百九十円(漢字料金は七百円)、以降、五字ごとに六十円(漢字は九十円)プラスされます。
このページの見出しに戻る
1-2-4. 弔電の文面は
NTTが用意している文例なら間違いありません。ただし、仏教語の「冥福」はほかの宗教には使えない、などの点に注意しなければなりません。自分で文章を作る場合は、重ね言葉や不吉な連想につながる言葉を使わないように注意しましょう。
宛先は喪主にし、差出人はフルネームで記します。
このページの見出しに戻る
1-3. お悔やみの手紙
1-3-1. 弔問できない場合は手紙を
事情があって弔問できない場合、訃報を後で知った場合などは、すぐに丁重なお悔やみの手紙を出します。先方の都合のよい日に改めて弔問に伺うのが良いでしょう。
内容は、次のようなパターンを踏まえた上で、自分なりの表現を考えましょう。
●訃報を受けて驚き、悲しんでいることをつたえる
●故人の冥福を祈る
●遺族の悲しみを思いやり、慰める
●香典を同封する場合はその旨をひとこと添える
このページの見出しに戻る
1-3-2. 注意点は
ハガキなどは用いず、封書にします。模様入りや色物の便箋は避け、封筒も縦長の白無地を使いましょう。
文面は、時候のあいさつなどは入れずに本文から始めることと、重ね言葉や不吉な連想につながる言葉などの「忌み言葉」は使わないこと。「浮かばれない」「迷う」も仏式では忌み言葉になります。また、一般に使われている「冥福」「成仏」「供養」などは仏式用語ですから、ほかの宗教の場合は注意が必要です。遺族の悲しみを助長するような大げさな表現を慎み、親しい間柄であっても丁重かつ簡潔に書きます。親しみのこもった思いやりの言葉と、軽率な友だち言葉を混同しないように。
また、お悔やみ状には、追って書き(追伸)のあるものは嫌われますから、ほかに用件があるときでも弔文だけにします。
このページの見出しに戻る
1-3-3. お悔やみの手紙
ご母堂様ご逝去との知らせを受け、呆然としております。今はただご母堂様のご冥福をお祈りするばかりでございます。
つい先日まであれほどお元気でいらしただけに、ご家族の皆様のご愁傷を思うと、お慰めの言葉もございません。一日も早くお悲しみが和らぎますようお祈り申し上げます。
あいにく遠方のこととて、すぐに伺うことができません。略儀ながら、とりあえず書中をもってお悔やみ申しあげます。
このページの見出しに戻る
1-4. 香典を包む
香典の金額はいくらと決まってはいませんが、一般的には五千円か一万円です。友人・知人はとくに親しい相手を除いて五千円、会社の同僚や上司は、生前の関係に応じて五千円か一万円、兄弟姉妹や両親となると五万あるいは十万と高くなります。
むろんこれは一般的な目安ですから、この目安を基準に、個々のケースを考えなければなりません。たとえば、金額は地方によって異なる慣習があります。自分の家で不幸があったとき、どの程度いただいたかも目安に金額を決めることが多いようです。そのほか、前述のように生前の関係、葬儀の規模やその家の格式、故人や自分の年齢・社会的地位・収入の多寡、などの要素が関係してきます。あまり分不相応に大きな金額にするのは、相手に気がねさせてしまうことになります。
両親や兄弟姉妹の場合、葬儀費用をどう分担するかということとも関係してくるので、香典としては出さないということもあります。
いずれにしても、喪家が近親者の場合は親類の主だった人に聞くとか、友人の場合は同じグループの仲間などに相談してから決めるのもよいでしょう。
このページの見出しに戻る
1-4-2. 香典の包み方
本来は、紙幣を半紙で包み(中包み)、表側中央に金額を書きます。さらにそれを奉書紙で包みます(上包み)。昔は慶事は左から包んで右をかぶせ、弔事は右から包んで左をかぶせていましたが、最近はどちらも左から包んで右をかぶせます。また上下の折り返しは、慶事はしたの折り返しを上にし、弔事は下の折り返しに上の折り返しを重ねるのが声域とされていましたが、これも現在はほとんど区別されていません。水引は銀か黒白をかけるのが作法です。結び切りにし、黒白の場合は白が左にくるようにします。
しかし、よほどの高額を包むか、格式を要求されるのでないかぎり、市販の不祝儀袋を利用するほうが現実的でしょう。
また、香典袋に肝心のお金が入っていないということがありますので、出す前に一度確かめておきます。
このページの見出しに戻る
1-4-3. 不祝儀袋
市販されている不祝儀袋にはさまざまな種類がありあます。いろいろな宗教に対応できるように、また、いろいろな香典のレベルに合わせることができるようになっています。種類が多いだけに、ふさわしいものを選ぶように注意してください。それほどの金額でもないのに袋だけが豪華なのは不自然だし、それなりの格式を要求される場面で一枚数十円の印刷のものを出すのも考えものです。
また、「御仏前」と印刷されたものや蓮の花模様のついたものは仏式用なので、神式やキリスト教式に使わないよう気をつけましょう。
このページの見出しに戻る
1-4-4. 表書き
一般的には、宗教を問わず使える「御霊前」を薄墨で書けばよいでしょう。また、仏式では「御香典」「御香料」、神式では「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」、キリスト教では「御花料」「御ミサ料」などが使えます。なお「御仏前」は、仏式の場合の四十九日以降、法要時などに使うものです。
自分の名前はフルネームで、「御霊前」などよりもやや小さめに書きます。連名は三名ぐらいまでにし、目上の人から順に、右から左に書きます。それ以上は、代表者名のみにして「外一同」と添え、別紙に全員の氏名を記して同封します。
このページの見出しに戻る
1-4-5. 中包みの書き方
中包みには、金額と、自分の住所氏名を記します。本来は表に「金壱万円」などと金額を書きますが、すべて裏に記入するように印刷されているものもあるので、その場合にはそれに従います。
◆香典の由来
香典とは、死者の霊に手向ける香の代金という意味です。古い時代の香典は、米や麦、野菜などでした。死者に供え、ともに食事するといった意味で、会葬者がそれらを持ち寄ったもので、それがやがてお金を包む風習に変わっていったのです。
遺族にはそれなりの費用が必要になることが多いので、村人たちがお互いに助け合うという智恵でもあったのでしょう。
このページの見出しに戻る
1-4-6. ふくさで包むときは
香典を手渡しする場合、最近ではむきだしのまま差し出す人も多くなっていますが、本来はふくさ(ふくさがなければ風呂敷かハンカチ)に包んで持っていくのが礼儀です。
包むときは、ふくさを菱形に置き、台つきの場合はつめが左にくるようにします。中央に香典袋を表向きに置いて、後は図にあるように、右、下、上、左の順に折って包みます。つめのあるものは、つめが裏にくるようにしてください。
布地は、紫か灰色、紺など地味な色を選びましょう。
このページの見出しに戻る
1-4-7. 香典を出す時期
香典は、一般的に、通夜か告別式のときに受付に差し出します。両方に出席する場合は、通夜のときがよいでしょう。
ただし、急な訃報を聞いてかけつけたのに香典はきちんと用意しているというのは、まるで準備していたような印象を与えてしまい、よくありません。また、取り込み中に出すのはまぎれやすいものです。あまり早すぎないよう、タイミングを考えて渡しましょう。
このページの見出しに戻る
1-4-8. 香典の渡し方
香典袋は、もともとは祭壇に供えるものでした。その場合はたいてい焼香箱の横あたりに台があるの、でそこに供えます。また、最近では受付で渡すことのほうが一般的になっています。渡すときには、表書きが相手から読める向きにして両手で差し出します。
受付では、「この度はご愁傷さまです」とお悔やみの言葉を述べながら一礼して香典袋を出し(ふくさなどで包んである場合はふくさから取り出して)、渡しながら「どうぞご霊前にお供えください」とひとこと添えます。
このページの見出しに戻る
1-4-9. 香典を郵送する場合
事情があって葬儀に出席できない場合は、弔電を打ったあと、香典を郵送します。香典袋は手渡しと同様に不祝儀袋に入れるか中包みし(封筒に入るように小さめのものを選ぶ)、現金書留の封筒に入れて、葬儀に出席できないお詫びやお悔やみの言葉などを書いた手紙を添えて送ります。
このページの見出しに戻る
1-5. 供物・供花を贈る
1-5-1. 遺族に了解を得る
供物や供花を贈る場合は、まず遺族に連絡して了解を得てから事を進めます。
故人の遺言などで供物・供花を辞退する場合もあり、花環などは場所が狭くて置けないこともあります。また遺族にとっては、贈られたものに対してはそれなりのお返しをすることが礼儀であり、遺産の整理などで多忙ななか、その負担を軽減したいという意味から辞退することもあるでしょう。
辞退された場合は、相手の意向に従いましょう。
このページの見出しに戻る
1-5-2. 手配のポイント
花環は一般に、勤務先や仕事の取引先から送られる場合が多いようです。花環には買取と貸し花環がありますが、現在は葬儀社から借りるのが普通です。造花のくす玉を祭壇の前や左右に飾ることもあります。葬儀社に依頼すれば届けてくれますが、これは買取が普通です。
供物・供花の値段は、とくにいくらと決まっているわけではありません。一般的には香典の金額と同程度にします。
大きな供物や、供花については、葬儀社や生花店に頼んで届けてもらうこともできます。その場合は間違いのないよう、日時をはっきり指定してください。また、供物・供花には贈り主の名前が入りますから、文字を正確に伝えましょう。
とくに供花の場合、飾りつけの準備などもあるので、少し早めに届くようにしたいものです。通夜に贈るならばその日の午前中までに、告別式に贈るならばその前日までに届くように手配しましょう。
供物・供花は、持ち運べるものなら自分で持参してもかまいません。その場合は風呂敷などに包んで持っていきます。
このページの見出しに戻る
1-5-3. 選ぶときの注意
原則として供花は菊や百合など白のみです。故人の好みで色を入れることもありますが、淡色にし、派手にならないようにします。
供物は宗教によって違いがあるので気をつけてください。仏式の場合は、線香やろうそく、果物や缶詰の盛り籠、干菓子などが一般的です(神式とキリスト教式は下段参照)。
供物には不祝儀袋のかけ紙をかけます。表書きは「御供」などで、下に自分の氏名を書きます。かごの場合はかけ紙の代わりに黒白のリボンをかけます。
このページの見出しに戻る
1-5-4. 神式、キリスト教式の場合
神式の場合、供物は果物や和菓子が一般的です。線香は仏式だけのもので神式には使えません。逆に、仏式では生臭もの(魚や酒など)を避けますが、神式ならばかまいません。
キリスト教式の場合、供物は生花だけです。花色は白で、黒いリボンをかけ、自分の氏名を書いたカードを添えます。プロテスタントの場合は贈り主の名前を出さないので、氏名を書いた紙を封筒に入れておきましょう。また、カトリックの場合は供花が許されないことがあります。宗派が不明なら遺族に確認しておきましょう。
このページの見出しに戻る
2. 通夜でのマナー
2-1. 通夜に参列する
2-1-1. 通夜とは
通夜とは、遺族や近親者、友人などが集まって、故人を偲びながら一夜を明かし、冥福を祈る儀式です。最近では夕方から午後十時ごろまでの「半通夜」が一般的です。、一般の参列者にも焼香の機会が設けられています。故人とそれほど親しい間柄でなければ、遺族らへの配慮から、読経後、早めに退去します。
このページの見出しに戻る
2-1-2. 通夜と告別式、どちらに出席するか
あなたが故人と親しかった場合はもちろん、通夜と告別式に出席しますが、告別式に参列できない場合は通夜だけ出席し、帰り際に遺族や世話役におわびしましょう。
このページの見出しに戻る
2-1-3. 通夜での服装は?
通夜での服装は、正式な喪服でなくてもかまいません。
男性の場合は、紺や濃紺、グレーのスーツやアンサンブルに、黒か地味な色のネクタイをして行きます。靴下、靴は黒っぽい色が良いでしょう。突然の場合で仕事先から直接駆けつけるようなときでも、ネクタイと靴下くらいはおとなしい色に取り替えておくのがマナーです。
女性の場合も男性と同様に、地味な色のスーツやアンサンブルなどが良いでしょう。なるべく薄めの化粧にして、結婚指輪以外のアクセサリーは控えます。濃い色の口紅とマニキュアもいけません。和服ならば、無地または地味な色の小紋に黒の帯をしましょう。
このページの見出しに戻る
2-1-4. 受付でのマナー
一般の参列者は、通夜の読経に後れないよう、定刻の十分くらい前には到着するように心がけましょう。
受付ではまず「このたびは誠にご愁傷さまでございます」とお悔やみのあいさつをし、「心ばかりですがお供えください」と言って香典を差し出します。つい口ごもってしまいがちなものですが、真心がこもっていればよいのです。その後名簿に記帳をしますが、その時に名刺を渡してもかまいません。名刺を差し出すときに左下を少し曲げて出すと、本人がきた印であるというしきたりもあるそうです。名簿は、後日香典返しの住所録となりますので、自宅の住所をきちんと書きましょう。
受付がない場合には静かに部屋に入って奥へ進み、遺族にお悔やみのあいさつをしてからお参りします。香典は、自分の名前を向こうにして祭壇に供えましょう。
このページの見出しに戻る
2-1-5. 部屋に通されたら
祭壇のある部屋に通されたら、静かに部屋に入り先客に軽く目例します。席次が決まっているなら案内された席へ、そうでなければ空いている席に座ります。
着席するときには、年長の人に前の方の席を譲ります。自分より年配の人が多いようならば後ろの方に座りましょう。ただし、席が混み合ってきて前へつめるように勧められた場合には、遠慮せずに従ってください。
席に着いたら左右の人に目礼をし、必要のない限り話しをするのは慎みましょう。読経中に、もぞもぞと身体を動かしたりすることもやめましょう。
また、和室の場合は、日本古来の動作、膝行膝退が原則です。中腰で歩き、正座した状態から腰を上げ、膝を使って進退(膝歩き)するようにします。
もし通夜に遅刻してしまったら目立たないように部屋に入り、仮に席次が決まっていたとしても後ろの席に座りましょう。
このページの見出しに戻る
2-1-6. 通夜ぶるまい
通夜ぶるまいの席は、故人との最後の食事、供養、弔問客へのお礼とお清めの意味で、軽い酒食が用意されていることがあります。これは身を清めていただくという遺族の気持ちですから、あまり辞退せず、ひと口でも箸をつけましょう。もし故人とあまり親しくなく、遠慮したい場合には、僧侶の退席をきっかけにそっと世話役の人にあいさつをして帰ると良いでしょう。
ふるまいの席には、身を清めるための酒が出ますが、飲み過ぎないように注意しましょう。遺族も疲れていますから、あまり長居をしないよう、ころ合いを見て退席します。遺族は玄関まで見送らないしきたりがありますから、目礼だけして帰っても失礼にはなりません。
このページの見出しに戻る
2-2. 焼香のしかた
仏式で行われる焼香には抹香と線香があります。葬儀や告別式などでは抹香をたき、弔問時や通夜では線香をあげることが多いようです。座礼、立礼ともに基本的な動作は同じです。
●線香のあげ方
僧侶や遺族に目礼し御霊前に進み出て、深く一礼して合掌します。祭壇の前に行くとき、座礼なら霊前の少し前まで中腰で歩き、正座して遺族と遺影に一礼します。線香はろうそくの火でつけます。右手に持った線香に火をつけ、左手であおいで炎を消します。息で吹きかけたりしないのがエチケットです。線香を香炉に立て、合掌します。線香の本数は宗派によって異なりますが、ふつうは一本でかまいません。合掌後、霊前から少し下がり、再び僧侶や遺族に目礼をします。
●抹香のたき方
礼拝や合掌の仕方は線香のときと同じです。霊前に進み出たら香入れの香をつまみ、額に押しいただいてから、香を指先でまくように香炉に入れます。右手の親指、人差し指、中指の三本を使います。一回目の焼香を補うような心もちで、二回目は、つまんだらそのまま香炉に入れます。参列者が多い場合などは、一回だけの焼香でもかまいません。その後合掌して席に戻ります。
◆通夜見舞い
近親者や親しい人は、通夜ぶるまいに軽い食べ物やビールなどを持参します。これは、葬儀の準備に追われる遺族の状況を配慮したもので、「通夜見舞い」と呼ばれます。通夜の準備の状況を確かめて、必要なものをタイミングよく持参しましょう。持参した通夜見舞いは、通夜の始まる前に、近親者が接待係の人に渡します。
このページの見出しに戻る
2-2-1. 宗派によっては
線香は本数や香をたく回数は、宗派によって異なります。
線香は、臨済宗では長い線香を一本、真言宗や天台宗などでは、三本を離して立てます。浄土真宗の場合は、二〜三本を香炉の大きさに合わせて折ってから火をつけ、火のついた方を左手にして香炉に寝かせます。
香をたく回数については、一般的には焼香、従香の二回とされていますが、とくにこだわる必要はありません。会葬者が多いときは一回でも十分で、時間のあるときには三回行えばいいでしょう。ただし浄土真宗の場合は、香を額に押しいただくことはしないとされています。
ですが、焼香の際にいちばん大切なのは故人を弔う心ですから、それほど作法にこだわる必要はないでしょう。
このページの見出しに戻る
3. 葬儀・告別式でのマナー
3-1. 葬儀・告別式
3-1-1. 葬儀・告別式とは
葬儀と告別式は、本来は別のものです。
葬儀は故人の成仏を祈り、死者を葬る儀式で、遺族や近親者のほか、とくに親しい人だけが行うものです。
告別式は故人に別れを告げるための儀式で、一般の友人・知人も含め、ゆかりの人々が参列して行うものです。
ですから本来は別々に行うものですが、現在は葬儀に続いて告別式を行うため、ほとんど同じ意味に使われているようです。
このページの見出しに戻る
3-1-2. 受付では
会場にいったらまず受付をすませますが、その前にコートや帽子は脱ぎ、預かり所があればそこに預けます。受付係に「この度はご愁傷さまです」と簡単なあいさつを述べましょう。香典や供物を渡してから(すでに通夜などで渡している場合は必要ありません)、芳名帳に記帳します。
このページの見出しに戻る
3-1-3. 会場では
席順がとくに決まっていなければ、自分より年配の人が多いようならば後ろの方に座りましょう。ただし、後の人の迷惑になりそうな場所では、先着順に詰めて座ります。係の案内があればそれに従います。会場が狭いと外に立つこともあるでしょう。
席についたら私語を慎み、知人に会っても軽くあいさつする程度にしましょう。遺族に対しても、目が合ったら目礼をする程度にとどめ、わざわざ声をかけに行く必要はありません。
僧侶が来たら一礼して迎え、読経の間に焼香をすませます。無理に譲ったりせず、流れに合わせ、案内があればそれに従って焼香台へ進みます。まず遺族に一礼し、焼香を終えて合掌、再び遺族に一礼してから下がります。前の人との間隔をあまりあけないで、焼香がとぎれないようにします。焼香の作法は通夜と同じです。
このページの見出しに戻る
3-1-4. どちらか一方に出席する場合
原則として、葬儀に参列した人は告別式にも参列するものです。やむを得ない事情で葬儀にしか参列できない場合は、葬儀から告別式へ移るときの休憩時間を利用し、休憩時間がない場合はタイミングを見計らって静かに席をはずします。途中退席ですから、葬儀の厳粛さを損なわないように注意してください。あらかじめ会場係に事情を話して、出口に近い席についておくとよいでしょう。
告別式にだけ参列する人は、時間を守りましょう。葬儀の時間は必ずしも予定どおりとは限らないので、余裕をもって到着するようにします。
このページの見出しに戻る
3-1-5. 葬儀・告別式の服装は?
一般会葬者は正式喪服にこだわる必要はなく、普通の間柄なら略式喪服か黒っぽい服でもかまいません。男性の略式は紺や濃紺、グレーのスーツなどに黒のネクタイ、小物は黒でそろえます。
女性の場合も黒っぽいスーツかワンピースで、地味なデザインのものにしましょう。袖は夏でも少し長め(三分以上)が礼儀です。ノースリーブや襟もとの広いものは避けましょう。靴やハンドバックは黒に統一します。
原則として、結婚指輪以外のアクセサリーは控えましょう。するならば、真珠のものならかまいません。
子どもは学校の制服か、黒っぽい服を着用します。
このページの見出しに戻る
3-1-6. 弔辞をたのまれたら
もしあなたが弔辞を依頼されたらとくに事情がないかぎり引き受けましょう。その場合、弔辞を読むのが葬儀のときということもあるので、葬儀から参列するのか、通常のように告別式に参列すればよいのかを事前に確認しましょう。
弔辞は正式には、巻紙に筆で書いて上包みの紙をかけ、「弔辞」と表書きします。最近は巻紙よりも市販の弔辞用紙(折りたたみの紙)を使うことも多くなっているようです。さらに、無地の便箋に書いて白封筒に入れてもよいでしょう。
弔辞を読むときは、司会者の指名を受けて静かに祭壇の前へ進み、遺族に一礼し、次に遺影に一礼します。上包みを開け、たたんだ紙を開き(長いものは巻きながら)、目の高さに持ち上げて読みます。包み紙は、そばの卓上や畳の上に置いても、ポケットに入れてもかまいません。読み終えたらもとのように包み、表書きが遺影の側から読める向きにして霊前に供えてから、遺影と遺族にそれぞれ一礼して席に戻ります。
このページの見出しに戻る
3-1-7. 弔辞を読みたい人は
一般的には、弔辞は依頼された人が読むものですが、どうしてもという場合は自分から申し出てもよいでしょう。その場合は当日よりも前に遺族か世話役に連絡をとり、了解を得ておくことが大切です。
◆葬儀後に不幸を知ったら
何かの事情で葬儀がすんでから不幸を知った場合は、すぐに電話か手紙で先方の都合を聞き、なるべく早めに弔問しましょう。訪問したら通夜や告別式に参列できなかった事情を述べお詫びし、香典を差し出し、遺影や仏壇などにお参りをします。
遺族には資産の整理などもありますので、多忙そうであればすぐに辞去しましょう。
このページの見出しに戻る
3-1-8. 弔辞のポイント
弔辞を書くときは、一般的な構成を踏まえておきます。故人の死を悼み、驚きや悲しみを述べる、思い出を語り、故人の人柄や経歴を紹介する、追慕や感謝を伝える、遺族を慰め、励まし、故人の冥福を祈って結ぶ・・・という流れが自然です。
ですがあまりこだわることはありません。弔辞を依頼された自分の立場を考え、あまり個人的な内容にせずに、学生時代や会社の同僚として、あるいは恩師や先輩・上司として、故人との思い出や・人柄・業績などを話しかけるように書けばよいのです。厳粛な時ですから悲しみや惜別の言葉は控えめにしましょう。素直な弔意と遺族への配慮を第一に考えます。経歴を紹介するなら、数字などを確認しておくことも大切です。「量々」、「重ね重ね」、「たびたび」などの忌み言葉は、不幸が重なるとして禁句になっていますので、使わないように注意しましょう。
弔辞を読むときは、感情的にならないよう淡々と進めます。全体の長さは三分くらいを目安としてください。
このページの見出しに戻る
3-2. 出棺・火葬
3-2-1. 出棺の見送り
告別式が終わたら退席してかまいませんが、なるべくなら出棺を見送りましょう。
式場の外に出て出棺を待つときは、ひそひそと話したりしないで静かに待ちましょう。やがて棺が運び出され、霊柩車に収められた後、遺族代表のあいさつがあります。コート類は脱いでおくのが礼儀ですが、寒さがあまりに厳しいときは着ていてもかまいません。あいさつが終わったら深く一礼し、出棺を見送ります。
この後は開放感から思わずおしゃべりしたくなるところですが、これも気をつけて慎みたいものです。とくに、故人の死の事情などを声高にしゃべったりしてはいけません。
このページの見出しに戻る
3-2-2. 同行したい人は
一般会葬者は、ふつうは出棺を見送ったら解散し、引き上げることになります。しかし、故人との関係からどうしても火葬場へ同行したい場合は、あらかじめ遺族か世話役に伝えておきましょう。車の手配などがありますから、なるべく早めに申し出ておくことです。
また、遺族から依頼された場合は、「それではお供させていただきます」と、素直に同行しましょう。
車中では遺族の気持ちに配慮して、知人に話しかけたりせずに静かにすごしましょう。
このページの見出しに戻る
3-2-3. 火葬場まで同行する
火葬場では、棺がかまどに入れられ、納めの式(歛祭)となります。遺族・親族に前を譲り、一般会葬者は後ろに控えていましょう。焼香は告別式と同じ要領で、遺族の後に行います。
その後、別室で軽い食事をしながら待ちます。お酒が出ることもありますが、声高に談笑したり、酔っぱらってしまうのはいけません。
火葬が終わると、遺族や近親者で骨を拾います。この骨上げのときは、やはり遺族の後に行います。二人一組で骨をはさみ、骨壷に入れます。指示があるでしょうが、喉仏の骨は近親者が拾うものであることを覚えておいてください。
このページの見出しに戻る
3-2-4. 遺骨迎え
遺族からとくに頼まれた場合は、遺族が火葬場に行っている間に喪家に残って遺骨迎えの準備を手伝います。ふつうは小机に白布をかけ、遺影や花などを飾って祭壇(後飾り)とします。
遺骨とともに火葬場へ同行した人たちが戻ったら、お清めを待って、残っていた人たちも祭壇の前にそろい、僧侶にお経をあげてもらいます。
なお、「付七日」といって、遺骨迎えの際に初七日の法要を兼ねて行うこともあります。
このページの見出しに戻る
3-2-5. 精進落とし
一般会葬者が精進落としに出席することは少ないですが、故人と親しかった人には遺族から声がかかることもあります。
本来の精進落としは、初七日または四十九日がすむまで肉類などの生臭ものを断ち、忌明けを待って、「今日からはふつうに肉や魚を食べる」と区切りをつけるものですが、現在ではその意味合いは薄れ、遺族らが世話役や会葬者に感謝してもてなすためのものになっています。
供養の意味でにぎやかも談笑するくらいはよいですが、酒を飲みすぎて度を超した大騒ぎをしないように注意しましょう。
このページの見出しに戻る
3-2-6. お清め
葬儀や告別式から帰ったら、家に入る前にお清めをしましょう。肩のあたりに軽く塩をかけてもらえばよいのですが、少し正式にやる場合は、両手に水をかけてもらい、体の正面からと背中から塩をかけてもらいます。葬儀や告別式が終わるときに会葬礼状を手渡されますが、たいていはそれと清めの塩がセットになっています。
火葬場に同行してから喪家に戻った人は、喪家に入る前にお清めをします。
◆子ども連れの参列は
葬儀や告別式には、なるべくなら幼い子どもは連れていかないようにしましょう。雰囲気に怯えて泣き出すなど、周囲に迷惑をかけることがありうるからです。ただし、故人が子ども自身の親しい友だちなら、きちんとお別れをさせておく意味はあります。その場合は、早めに行って早めに戻るなどの配慮をしましょう。
このページの見出しに戻る
3-3. 葬儀が終わった後で
3-3-1. 香典返しをもらったら
香典返しは一般に、忌明けに郵送や宅配で送られてきます。また、告別式が終わるときに手渡されることもあります。
本来のしきたりでは、香典返しに対する礼状などは出さないことになっています。不幸に関わることなので、それに対して「ありがとう」はおかしいという考え方からです。
しかし、最近ではそれほどこだわらず、むしろ届いたかどうか遺族が気にかけていることを考え、それなりの返事をしておくほうが親切、という考え方が一般的です。ただし、お礼としてではなく、お悔やみ状の形にし、香典返しの品については、「いついつ届きました」と述べるだけにしましょう。電話一本でもかまいません。「けっこうなお品」「喜んでちょうだいします」「ありがとうございます」などの言葉はなるべく使わないようにしましょう。
なお、香典を寄付したり、遺児の教育費資金とするなどの理由から、香典返しはないこともあります。その場合は、その旨を記した手紙が送られてくるはずですから、「お役に立てて何よりでした」といった程度の返事をしておきましょう。
このページの見出しに戻る
3-3-2. 形見分けをもらったら
故人とごく親しかった友人・知人は、形見分けとして遺品を使ってくださいと、遺族から申し出を受けることがあります。その品を思い出とともに長く愛用してほしいという意味であり、また、生前に世話になったことへのお礼でもあります。素直に受け取りましょう。
ただし、故人を思い出してつらいので受け取れないだとか、衣服などのサイズが合わない、分不相応であるといった場合は、その気持ちを率直に伝えて丁重に辞退します。
このページの見出しに戻る
3-3-3. 年賀欠礼状をもらったら
不幸があった家からは、十二月の初旬ごろまでに年賀欠礼状が届くのがふつうです。これを受け取ったら年賀状は出しません。慰めの言葉をかけるには、松の内がすぎたころに寒中見舞いとして手紙を出すのがよいでしょう。
欠礼状で初めて不幸を知った場合は、すぐにお悔やみの手紙を出します。「お悔やみにも伺わず、失礼いたしました」と非礼をお詫びしましょう。「どなたが亡くなったのですか」などと質問してはいけません。
◆喪中なのに年賀状を出したら
先方が喪中であることを知らずに年賀状を出し、後で知るというケースは少なくありません。その場合は、気づいた時点ですぐに手紙を出して非礼をお詫びします。
文面は「ご服喪中とはぞんじませず、賀状を差し上げてしまいました。どうぞお許しくださいませ」などとし、お悔やみや慰めの言葉を添えましょう。
このページの見出しに戻る
4. 法要、お墓参りでのマナー
4-1. 法要に招かれたら
4-1-1. 法要とは
仏式の場合、亡くなった日から数えて七日目ごとに法要を行います。これは、人の死後の行き先が一週間から七週間で決定されるという教義が基本になっており、初七日、二七日(十四日目)、三七日(二十一日目)・・・と、忌明けの七七日(四十九日目)まで続きます。その後は百カ日(百日目)、そして、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌と、年忌法要が行われます。
このページの見出しに戻る
4-1-2. 出欠の返事は早めに
最初の忌み日の初七日、忌明けと呼ばれる七七日(四十九日)、一周忌、三回忌などの法要には僧侶が呼ばれ、親族や故人の親しい友人・知人などが招かれます。先方の準備の都合もありますので、なるべく早く出欠の返事をするようにしましょう。やむを得ない事情を除き出席するのが礼儀です。欠席の場合には、ていねいな手紙を書くようにしましょう。
法要時は、通夜や葬儀とは違って、話をしてもかまいません。遺族には「本日はお招きいただきまして恐れ入ります。ご供養させていただきます」とあいさつします。礼拝、焼香などの仕方は通夜や葬儀などと同じです。
このページの見出しに戻る
4-1-3. 供物料を包む
法要の席には供物料として香典のように現金を包む習わしがあります。表書きは「御仏前」として、水引は、一周忌までは、白、グレイ、銀などの一色のものを用います。
金額は、香典の二分の一程度が目安とされています。立場にもよりますが、だいたい一万円くらいが一般的になっているようです。
このページの見出しに戻る
4-1-4. 供物を贈る
供物としては、生花、菓子、果物、線香、ろうそくなどを贈ります。供物は祭壇に飾りますので、早めに届けるようにします。金額の目安は、供物料の場合と同じで、香典の二分の一程度を目安に。ただし、最近では一般的に現金を包むことのほうが多いようです。とくに法要が自宅以外の場所(葬儀社等)で行われる場合には、喪家側ももの入りです。供物よりも現金を持参しましょう。
このページの見出しに戻る
4-1-5. 卒塔婆を立てたいとき
浄土真宗以外では、お墓に卒塔婆を起塔します。卒塔婆供養をしたい場合には、あらかじめ施主に申し出て料金を確認しましょう。法要時に「御卒塔婆料」と表書きして、持参します。
このページの見出しに戻る
4-1-6 法要時の服装は?
初七日までの法要は喪服を着用し、それ以降は、徐々に喪の表現を少なくしていきます。
男性は黒や濃いグレーや濃紺のスーツに地味な色のネクタイと靴下で、ワイシャツは白にします。女性も同様に地味な色のワンピースやアンサンブルなどを。アクセサリーは控えめにするか、つけないようにします。(通夜や葬儀同様、結婚指輪以外のものは外すくらいのほうが望ましいでしょう)
三回忌までは、略式喪服で伺うのが無難でしょう。
このページの見出しに戻る
4-1-7. あいさつの言葉
法要時は、決められた時間の二十〜三十分くらい前に到着するようにし、まず遺族にあいさつを述べます。
「本日はお招きいただきまして恐れ入ります。ご供養させていただきます」
「ごていねいにご通知をいただき恐縮です。ごいっしょにご供養させていただきます」
仏式では死「悲しみ」として捉えていますので、「ありがとうございます」の言葉は使用しないほうが無難です。
このページの見出しに戻る
4-1-8. 仏前では
部屋に通されたら、まず、仏前に向かい、位牌や遺影に一礼します。焼香、合掌した後、自宅の場合は供物料や供物を仏壇に供えます。寺などで行われる場合には、控え室などで遺族に直接渡すことが多いようです。
席順にとくに決まりはありませんが、一般的には、故人と関係の深い人や年長者が上座に座ります。
このページの見出しに戻る
4-1-9. 法要後の宴の席で
法要後には宴席が設けられます。故人を偲びながら、なごやかで節度ある態度をとりましょう。遺族からのあいさつの後、一同そろって辞去します。
このページの見出しに戻る
4-2. お墓参り
4-2-1. お墓参りをする場合
命日や、夏のお盆、春夏のお彼岸などには、仏前に供花や供物をお供えして、お墓参りをします。近親者や友人・知人などは、すすんでお墓参りをするように心がけましょう。親しい間柄であれば、直接喪家を訪問して仏前にお参りするのもいいでしょう。
お墓参りをしたら、まず墓石やその周囲を掃き清め、花を飾ります。墓石の前の供水(くぼみのあるところ)には水を満たします。墓石の上からも水を注ぎましょう。
墓石がきれいになったら、束のまま火をつけた線香と、供物をお供えします。故人と縁の深い人から順に手桶の水を柄杓でかけて、故人や先祖の霊を供養します。
地方によって風習が異なりますので、注意が必要です。喪家の方に確認しておきましょう。
◆都立霊園に眠る有名人
青山霊園には、作家の志賀直哉、歌人の斎藤茂吉、医学博士の北里柴三郎、元首相の吉田茂など。多摩霊園には、作家の江戸川乱歩や向田邦子、歌人の与謝野晶子、元首相の大平正芳、元徒知事の美濃部亮吉など。雑司ヶ谷霊園には作家の夏目漱石や画家の竹久夢二、谷中霊園には俳優の長谷川一夫などが眠っています。
このページの見出しに戻る
5. 神式、キリスト教式葬儀では
5-1. 神式葬儀のマナー
5-1-1. 仏式とどう違う?
神式葬儀の場合、それをとり行う側にとっては仏式とは異なる儀式ですが、参列者にとっては極端に大きな差異はありません。もちろん別の宗教ですから、細かい点では違いがあり、注意を要します。
葬儀の流れは上図のようになっています。通夜祭、葬場祭、出棺祭、火葬祭は、それぞれ仏式の通夜、葬儀と告別式、出棺、納めの式(歛祭)にあたるものと心得ておきましょう。ただし、このとおり呼び名が違うので、不用意に「納めの式」などと口にしないよう気をつけてください。服装については仏式と同様のもので差し支えありません。ただし、自分が仏教徒であっても、神式葬儀では数珠を持たないようにしてください。
このページの見出しに戻る
5-1-2. 不祝儀袋の表書き
香典の表書きは、仏式と共通の「御霊前」にしておけば無難です。ただし、「香典」という言葉は仏式のものですから使いません。
神式だけに使える表書きとしては「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」などがあります。
このページの見出しに戻る
5-1-3. お悔やみの言葉
仏式と神式では、故人に対する考え方が違います。したがって神式葬儀では仏教的な表現は基本的に使用できません。一般的なお悔やみの言葉には仏教的な表現が多々ありますので、不用意に口にしないよう注意しましょう。「冥福」「冥土」「成仏」「供養」などがそれにあたるものです。したがって、「心よりご冥福をお祈り申しあげます」という便利な文句も、神式葬儀では使えません。
また、「仏」「お経」「僧侶(お坊さん)」などの仏教用語も、ふとした会話のなかで使ってしまいがちなので気をつけてください。
重ね言葉や不幸を連想させる言葉などの忌み言葉を連想させる言葉を使わないという点は仏式と同じです。
このページの見出しに戻る
5-1-4. 手水と玉串奉奠
神式葬儀では、祭儀の前に手水といって手を洗うならわしがあります。最近では省略することも多いようですが、本来は下のイラストのようにします。
玉串奉奠は仏式の焼香にあたる儀式です。玉串とは榊の技に紙垂という紙片をつけたもので、神霊が宿っているとされています。左のイラストのように、神官から玉串を受け取り、作法どおりに回転させてから玉串をのせる台に置きます。さらに、二礼(お辞儀を二回)、二拍手(しのび手を二回)、一礼をします。
このページの見出しに戻る
5-1-5. キリスト教式葬儀のマナー
プロテスタントとカトリックの違い
キリスト教式の葬儀は仏式・神式とはむろん異なりますし、日本的に変化して欧米本来の形式と異なっている面もあります。おもな注意点は、不祝儀袋に「御花料」と表書きすること、供物は白色の生花のみであること、焼香にあたるものとして献花(撒水や献香なども)を行うこと、賛美歌や聖歌を歌うこと、などです。また、服装は仏式の場合の洋装と同じですが、数珠を持ってはいけません。女性の信者は黒のベールか帽子をかぶります(信者以外は必要ありません)。
プロテスタントとカトリックの差異にも要注意です。次のような違いがあります。
★プロテスタント
式を司る人はプロテスタントは牧師、カトリックは神父ですから、うっかり呼びかけを間違えないようにしましょう。
プロテスタントは聖書による祈りを中心としています。したがって、儀式を重要視しないため比較的自由な雰囲気があります。祭壇の飾りもシンプルです。また、プロテスタントの教会では信者以外の人の葬儀も受け入れてくれます。
★カトリック
カトリックはプロテスタントと違い、儀式と教義を重んじ、ミサを中心とした荘重な葬儀を行います。カトリックの教会では信者の葬儀しか行いません。ですが信者以外の方が参列することはできます。信者以外の女性はベールをかぶる必要もありません。
◆キリスト教の火葬
キリスト教では本来は土葬ですが、現在の日本では火葬のほうが一般的になっています。
火葬場では火葬前式が行われます。十字架や花を飾り、牧師が祈りを捧げ、参列者が賛美歌(カトリックでは聖歌)を歌います。火葬が終わると骨上げを行います。この要領は仏式の場合とほとんど同じです。
このページの見出しに戻る
5-1-6. 撒水、献香
仏式の焼香にあたるものは一般に献花ですが、撒水や献香が行われることもあります。撒水は、聖水を棺に降りかけること、献香は、香炉を振りながら棺の周囲をまわることです。死者への敬意を示し、その安息を願って行う、キリスト教本来の作法です。
このページの見出しに戻る
5-1-7. 賛美歌(聖歌)斉唱のときは
賛美歌(聖歌)は、よくわからなければ無理に歌う必要はありません。聖書の一節や祈りの言葉を唱和する場合も同じことです。あらかじめ歌詞カードの類が渡されていれば、見ながら歌うとよいでしょう。
このページの見出しに戻る
5-1-8. お悔やみの言葉は
キリスト教では、死を必ずしも悲しみだけでなく、死者が神のもとに召されたという喜びとしてもとらえます。したがって、仏式では自然な「ご愁傷様です」というあいさつですが、キリスト教式の葬儀では控えましょう。最初のあいさつは、「お招きいただき、ありがとうございます」などといいます。「冥土」「供養」などの仏教的な言葉や他宗教の用語もうっかり口にしないように注意しましょう。
このページの見出しに戻る
5-1-9. 献花について
献花とは、一人一人が順番に祭壇の前へ進み、死者に花を捧げて別れを告げるものです。
ふつうは係の人が花を一本ずつ渡してくれます。順番がきたら、花が自分の右手、根元が左手にくるように受け取り、献花台の前へ進んで一礼します。花が自分に向くように右手を引いて回転させ、その向きのまま献花台に置き、二、三歩下がります。黙祷を捧げ、遺族に一礼してから自席に戻りましょう。
黙祷の際、プロテスタントは手を組み合わせ、カトリックは十字を切りますが、信者以外はふつうの黙祷でかまいません。
このページの見出しに戻る
5-2. 法要への出席
5-2-1. 神式の霊祭
仏式の法要にあたるものが霊祭です。招かれて行く場合、服装や香典などは法要に準じます。ただし、香典の表書きは「御仏前」ではなく「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」などとしておきます。
神職のお祓いを受けるときや祭詞奏上のときは、深くお辞儀をしましょう。また、法要の焼香にあたるものは玉串奉奠です。ただし、玉串奉奠は近親者などが行い、一般の参列者は二礼二拍手一礼(お辞儀を二回、拍手を二回、お辞儀を一回)を行うこともあります。拍手は、一年祭までは音を立てない(しのび手)ならわしです。
このページの見出しに戻る
5-2-2. キリスト教の記念集会・追悼ミサ
法要にあたるのは、プロテスタントでは記念集会、カトリックでは追悼ミサです。
服装は法要や霊祭と同様です。地味な服装を心がけましょう。香典は本来のキリスト教にはないものですが、日本的な影響を受けて、「御花料」として現金を包む例も多いようです。供物は生花だけです。なお、一般参列者が行うのはお祈りなどで、特別に作法を意識する場面はありあません。仏教徒であっても、数珠は持たないということだけ注意すればいいでしょう。
このページの見出しに戻る